五十肩が治らない本当の理由とは?夜間痛や長期化の原因と改善策を徹底解説
「五十肩は時間が経てば自然に治る」と安易に考えていませんか? 実は、五十肩がなかなか治らない、あるいは症状が悪化してしまう背景には、見過ごされがちな原因が潜んでいます。
このページでは、五十肩が治らない理由を専門家の視点から解説します。特に多くの方が悩まされるつらい夜間痛の原因や、良かれと思ってやったことが逆効果になるNG行動を具体的に説明します。
正しい知識と適切なケアで、つらい痛みから解放され、早期回復を目指しましょう。
この記事のポイント
- 五十肩が治らない主な原因: 放置によって「炎症」と「癒着」の悪循環が生まれ、間違ったセルフケアが症状をこじらせます。
- つらい夜間痛の正体: 就寝中の姿勢による肩への負担や、体のリズムを整える自律神経の乱れが痛みを増幅させます。
- やってはいけないNG行動: 痛みを我慢してのストレッチ、炎症が強い時期に温めること、逆に安静にしすぎも関節を硬くする原因になります。
- 早期回復への道: 専門家への早期相談が最も重要です。それに加え、痛みがない範囲での「振り子運動」などのセルフケアや生活習慣の見直しが回復を後押しします。
五十肩が治らない理由:放置すると悪化するメカニズム
五十肩は、正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれ、肩関節を取り巻く組織に炎症や癒着が起こる疾患です。放置すると症状が長引き、日常生活に深刻な支障をきたすことも少なくありません。一体なぜ、五十肩は治りにくくなるのでしょうか?
炎症と癒着の悪循環
五十肩の始まりは、肩関節周辺の組織に起こる「炎症」です。この炎症が適切に処置されないと、関節を包む袋である「関節包」や、肩を安定させる筋肉・腱(腱板)が硬くなったり、組織同士がくっついてしまう「癒着」が生じたりします。
癒着が起こると、肩の動く範囲が狭まり、痛みも増していきます。そして、痛みがあるために肩を動かさなくなると、さらに癒着が進行するという悪循環に陥ってしまうのです。
適切な治療の遅れが症状を長期化させる
「そのうち治るだろう」という自己判断での放置やケアは、症状の悪化につながりかねません。五十肩は、早期に適切な対処を始めることが、回復期間を短縮する上で非常に重要です。
症状が現れたら、できるだけ早く整形外科などの専門医を受診し、正しい診断と治療を受けることが大切です。対処が遅れると症状が慢性化し、長期間にわたって痛みや不自由さを抱えることになりかねません。
間違ったケアが症状を悪化させることも
良かれと思って行うセルフケアが、かえって症状を悪化させるケースもあります。例えば、痛みを我慢して無理にストレッチをしたり、強く揉んだりすると、炎症を助長してしまう可能性があります。
五十肩のケアは、症状の時期や状態に合わせた適切な知識が必要です。自己判断が難しい場合は、専門家の指導のもとでケアを進めることが推奨されます。
【要注意】こんな症状はすぐに病院へ
以下のような症状がある場合は、五十肩以外の疾患の可能性も考えられます。セルフケアを試す前に、速やかに整形外科を受診してください。
- 腕や手にしびれがある
- 転倒して肩を打つなど、明らかなきっかけがあった
- 安静にしていても、ズキズキとした痛みが全く引かない
五十肩の夜間痛:眠れないほどの痛み、その原因とは?
五十肩の症状の中でも、特に患者さんを苦しめるのが「夜間痛」です。夜になると痛みが増す原因と、その対策について解説します。
夜間の姿勢と肩関節への負担
睡眠中の姿勢は、無意識のうちに肩関節へ負担をかけていることがあります。仰向けで寝ると、腕の重みで肩の関節に圧力がかかり、痛みを引き起こすことがあります。また、横向きで寝る際も、下になった肩が圧迫されたり、寝返りを打ったりするときに痛みを誘発することがあります。
【対策】
バスタオルやクッションを使い、肩や腕の下に挟んで少し高さを出してあげることで、関節への負担を軽減できます。自分にとって楽な位置を探してみましょう。
自律神経の乱れと痛みの増幅
夜間は、心身をリラックスさせる「副 Kollegen 神経」が優位になります。実は、この状態では痛みを感じやすくなることが知られています。日中のストレスや睡眠不足などで自律神経のバランスが乱れていると、この傾向が強まり、夜間の痛みを増幅させてしまう可能性があります。
【対策】
日頃からストレスを溜め込まず、ぬるめのお湯にゆっくり浸かるなど、リラックスできる時間を作り、自律神経のバランスを整えることが大切です。
炎症物質の増加
私たちの体では、夜間に炎症に関わる物質が作られやすいことが分かっています。そのため、肩に炎症が起きている五十肩では、夜間に痛みが強まる傾向があります。
【対策】
ズキズキと熱を帯びるような強い痛みがある場合は、冷たいタオルや保冷剤をタオルで包んだもので短時間冷やすと、痛みが和らぐことがあります。ただし、冷やしすぎには注意しましょう。
五十肩を悪化させるNG行動:やってはいけないこと
症状を悪化させないためには、いくつかのNG行動を避ける必要があります。適切なケアをすることが、早期回復への近道です。
1. 無理なストレッチや運動
痛みを我慢して無理やり肩を動かすことは、炎症を悪化させる最大の原因の一つです。適切なストレッチは回復に有効ですが、それはあくまで「痛みのない範囲」で行うのが大原則。少しでも強い痛みを感じる場合は、すぐに中止してください。
2. 肩を温めすぎる(炎症期)
ズキズキ痛む、熱を持っているなど、炎症が強い「急性期」に温めると、血行が促進されすぎてしまい、かえって炎症と痛みが悪化することがあります。温めるケアは、急性期の強い炎症が治まってから行うのが適切です。
3. 安静にしすぎる
痛みが強い時期はある程度の安静が必要ですが、全く動かさない状態が長く続くと、逆に関節がどんどん硬くなってしまいます(拘縮)。痛みのない範囲で、日常生活の中で腕を振るなど、少しずつ動かしていくことが関節の機能維持につながります。
温める?冷やす?見極めのポイント
多くの人が迷う「温めるか冷やすか」の判断基準は以下の通りです。時期によって対処法が異なるため、迷う場合は専門家に相談しましょう。
| 症状の時期 | 状態 | 対処法 |
|---|---|---|
| 急性期 | ズキズキ痛む、熱感がある | 冷やす(炎症を抑える) |
| 慢性期以降 | 痛みは和らぐが、動きが悪い | 温める(血行を促進する) |
整体による五十肩の改善アプローチ
整体では、五十肩の直接的な原因である肩関節だけでなく、体全体のバランスに着目して施術を行います。骨盤や背骨の歪みを整えることで、結果的に肩関節の動きを改善し、痛みを軽減する効果が期待できます。
※整体は国家資格ではなく、施術者によって技術や知識に差がある点に注意が必要です。医療機関での治療を基本とし、補助的なケアとして検討する場合は、信頼できる施術所を選びましょう。
骨盤矯正による姿勢改善
骨盤の歪みは、猫背などの悪い姿勢につながり、肩への負担を増大させます。猫背の姿勢では、肩甲骨が前に傾き、肩関節のスムーズな動きが妨げられ、痛みの原因となり得ます。骨盤から姿勢を整えることで、肩への不要な負担を減らし、症状の改善を目指します。
背骨の歪み矯正による神経系の調整
背骨の歪みは、周辺の神経に影響を与え、痛みを増幅させる可能性があります。背骨の歪みを整えることで、神経の働きを正常化し、痛みの緩和をサポートします。
筋肉の緊張緩和と柔軟性の向上
五十肩の痛みは、肩や首周りの筋肉が過度に緊張することでも悪化します。整体では、これらの筋肉の緊張を和らげる施術を行い、血行を改善させます。筋肉がほぐれることで、関節の可動域も広がりやすくなり、スムーズな動きを取り戻す助けとなります。
五十肩の改善に効果的なセルフケア
専門家の治療と並行して、自宅でできるセルフケアも早期回復には欠かせません。痛みのない範囲で、決して無理せず行いましょう。
振り子運動(コッドマン体操)
- テーブルや椅子の背もたれに、痛くない方の手をつき、少し前かがみになります。
- 痛い方の腕は力を抜いて、地面に向かってだらりと下げます。
- そのまま、腕の重みを利用して、ゆっくりと前後に10回ほど振ります。
- 慣れてきたら、左右に振ったり、小さな円を描くように回したりしてみましょう。
ポイント: 腕の力で動かすのではなく、体の反動と腕の重みで自然に揺れる感覚で行うのがコツです。
壁を使った運動(スパイダー体操)
- 壁に向かって立ち、痛い方の腕の指先を壁につけます。
- クモが壁を登るように、指を少しずつ動かしながら、腕を上げていきます。
- 「これ以上は痛いな」と感じる少し手前で止め、10秒ほどキープしてからゆっくり下ろします。
- 今度は壁に対して横向きに立ち、同様に腕を上げていく運動も効果的です。
日常生活での工夫
痛みを誘発する動作を避けることも大切なセルフケアです。
- 避けるべき動作: 急に腕を上げる、高い場所の物を取る、重い荷物を持つなど。
- 着替えのコツ: 服を着るときは「痛い方の腕」から先に袖を通し、脱ぐときは「痛くない方の腕」から脱ぐと、肩への負担が少なくなります。
さらなる改善のためにできること
これまで紹介したケアに加え、以下の点にも注意すると、より回復を早める助けになります。
ストレス管理と心身のリラックス
精神的なストレスは筋肉を緊張させ、痛みを強く感じさせる一因となります。深呼吸や瞑想、好きな音楽を聴く、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かるなど、意識的にリラックスできる時間を作りましょう。心身がリラックスすると血行が促進され、痛みの緩和につながります。
食生活の見直し
炎症を抑える働きが期待される栄養素を摂ることも大切です。例えば、サバやイワシなどの青魚に含まれるオメガ3脂肪酸、緑黄色野菜や果物に含まれる抗酸化物質などが挙げられます。一方で、加工食品や糖分の多い食事は炎症を助長する可能性が指摘されているため、バランスの良い食事を心がけましょう。
作業環境の整備
デスクワークが多い方は、机や椅子の高さ、パソコンのモニターの位置を見直すことが重要です。前かがみの姿勢や、肩に力が入った状態が続くと、肩関節への負担が大きくなります。
- 椅子の高さ: 肘が90度になるように調整する。
- モニターの位置: 目線の高さか、やや下になるように合わせる。
- 休憩: 1時間に1回は立ち上がり、肩を回すなど軽いストレッチを取り入れる。
五十肩の治療:適切なケアで早期回復を目指しましょう
五十肩の治療は、自己判断に頼らず、適切な手順を踏むことが早期回復への鍵となります。
まずは専門家へ相談を
症状をこじらせないためにも、五十肩の症状が現れたら、まずは整形外科を受診しましょう。適切な診断を受けることで、自分の症状に合った治療法やリハビリテーションの指導を受けることができます。専門家による的確なアドバイスは、回復への最短ルートです。
治療法の選択肢
五十肩の治療には、以下のような選択肢があります。症状の程度や時期によって、これらを組み合わせて行います。
- 薬物療法: 痛みを和らげるための内服薬や外用薬(湿布)、注射など。
- 物理療法: 温熱療法や電気療法などで、血行を改善し痛みを和らげる治療。
- 運動療法(リハビリテーション): 理学療法士などの指導のもと、関節の可動域を広げるための運動を行う。
- 手術療法: 保存的な治療で改善が見られない場合に検討される。
医師や専門家とよく相談し、自分にとって最適な治療法を選択することが重要です。
生活習慣の改善
治療と並行して、これまで紹介してきたような運動、休息、栄養バランスの改善といった生活習慣の見直しを行うことが、回復を力強く後押しします。無理のない範囲で、できることから始めてみましょう。
よくある質問(Q&A)
Q1: 五十肩と四十肩の違いは何ですか?
A1: 医学的には、どちらも「肩関節周囲炎」という同じ疾患です。発症する年代に応じて呼び名が変わっているだけで、症状や原因に本質的な違いはありません。一般的に40代で発症した場合を四十肩、50代で発症した場合を五十肩と呼びます。
Q2: 治るまでにはどのくらいの期間がかかりますか?
A2: 個人差が非常に大きいですが、一般的には半年から2年程度の期間がかかると言われています。症状は「急性期(痛みが最も強い時期)」「慢性期(痛みは和らぐが動きが悪い時期)」「回復期(徐々に動きが改善する時期)」という段階を経て回復に向かいます。適切な治療やセルフケアで、この期間を短縮できる可能性があります。
Q3: 温めるのと冷やすのは、どちらが良いですか?
A3: ズキズキとした強い痛みや熱感がある「急性期」には、炎症を抑えるために冷やすのが効果的です。痛みが和らぎ、肩の動きの悪さが主になってきた「慢性期」以降は、血行を促進して筋肉の緊張を和らげるために温めるのが良いでしょう。時期によって対処法が異なるため、自己判断に迷う場合は専門家に相談してください。
Q4: 再発することはありますか?
A4: 一般的に、一度五十肩になった方の肩が、全く同じ状態の五十肩を再発することは稀だと言われています。しかし、反対側の肩が五十肩になることはあります。日頃から肩周りのストレッチを習慣づけ、良い姿勢を心がけることが予防につながります。
まとめ
五十肩は「時が薬」と放置してしまうと、症状が長引き、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。特に、眠れないほどの夜間痛や、関節が固まって動かなくなる「拘縮(こうしゅく)」を防ぐためには、正しい知識と適切なケアが不可欠です。
この記事で紹介した内容を参考に、もし症状にお悩みであれば、まずは一度、専門家へ相談することを検討してみてください。つらい痛みから解放され、快適な生活を取り戻すための一歩を踏み出しましょう。
この記事の監修者
小田 健太
保有資格: 理学療法士
理学療法士としての臨床経験を活かし、医療・健康に関する専門的な情報を分かりやすく伝えることを得意としています。身体の専門知識とSEOライティングの技術を組み合わせ、読者にとって信頼性が高く、価値のあるコンテンツ制作を心がけています。



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